山陰卒業旅行前編
博多行きの快速電車に乗り込んだ。
この構図にも慣れてきた。
大学を卒業した私は卒業旅行に行くことを決心した。
当然一人である。
寝不足のためまどろんでいたらいつの間にか博多駅に到着。
新大阪行きのこだまに乗り換える。
「こだま」は各駅停車の新幹線である。
山陽・東海道新幹線は速達タイプの
「のぞみ」を優先するダイヤであることから、
のぞみの追い越しを待つために
駅につくごとに10分ほど停車することも珍しくない。
なかなか目的地に着かない新幹線。
乗車中も断続的に寝ていた。
起きたときにはちょうど新山口駅を発車し、
駅名標が後方へ流れて行く車窓を見た。
それではここで今回の切符を見てみよう。
京都に行くわけだが、今回はかねてより行きたかった山陰を経由する。
そのために新山口駅で山口線の特急に乗り換える。
ガッデム!!!寝過ごした!!!!
次の停車駅の徳山で下車。
徳山動物園の顔ハメを撮りながら折り返しの列車を待った。
実は特急の乗り継ぎはだいぶ余裕を持たせた旅程を組んでいたため、
都合30分のロスがあっても特急には間に合った。
新山口駅まで戻り、山口線・山陰線特急スーパーおき米子行に乗り換える。
なおもバスに乗り換えて数十分。
石見銀山とは日本最大の銀山である。
最盛期には日本は世界の1/3の銀を産出したとされており、
ほとんどの銀はここ石見銀山で採掘されたといわれている。
ここ、石見銀山世界遺産センターでは、その歴史を軸に
技術・文化・研究といったあらゆる観点から
銀山を学ぶことができる資料館・博物館である。
石見銀山について学んだ後はまたバスに乗り、
銀山で栄えた町、大森地区を目指した。
大森地区には古い町並みが残されている。
この赤い屋根瓦は石州瓦と呼ばれ、島根県では至る所でよく見かける。
車でも鉄道でも、島根を訪れた際は是非家の屋根を見てほしい。
珍しい色の屋根もこの地域では当たり前なのだ。
散策していると、岩がくりぬかれ、
そこに地蔵が置かれているというものがあった。
さすがは石見銀山のお膝元、掘削技術を生かして
地蔵堂まで岩を削って作るのだろうか、と思いつつ地蔵を見てみる。
なんかイっていた。
島根といえば出雲大社に目が行きがちではあるが、
石見銀山も是非行っておくべきスポットである。
出雲大社が華だとすれば石見銀山はいぶし銀である、
銀山だけに。
↓石見銀山世界遺産センターHP
http://ginzan.city.ohda.lg.jp/
さて、その「華」である出雲大社に向けさらに進む。
バスで大田市駅に戻り、
50分近くかけ出雲市駅に到着。
乗ってきた気動車を撮り、改札を出る。
出雲市駅
さらにここから一畑電鉄に乗り換える。
電鉄出雲市駅の入り口に差しかかったところ、
ホームのある2階から聞こえてきたのは
「1番線ドア閉まりまーす」
次の電車は30分後。完全にやらかした。
時刻表上では乗り換え時間は10分と、十分にあったはずだが
乗ってきた気動車が遅れて出雲市駅に到着したこと
気動車などを撮影していたこと
出雲市駅で改札を出るのに手間取ったこと
複合的要因により、次の電車を逃してしまった。
しかし出雲市駅から出雲大社まではバスが出ている。
サブプランとしてバスの存在まで把握していた私は策士であった。
が。
バスは行ったばかりだった。次のバスまで30分。
なんだこいつら。
結局バスに乗り出雲大社に到着。
ここでの30分のロスは
この後のプランからして痛い30分であった。
あとサングラスの彼、こんな格好で神社参りしてるが
彼女と手をつないでいる。
非常に腹立たしい。
境内を突き進む。
本殿に到着。
出雲大社は日本神話や古事記にも出ている、
古代から存在する由緒正しい神社である。
作法は一般的なものと違い、二礼四拍手一礼となっている。
神無月(10月の旧称)は「神々が出雲の地に集まるため各地で神がいなくなる」
という定説が有名ではあるが実は根拠が無い。
それでも定説として根強く残っている。
ちなみに、ハワイにも出雲大社の分社がある。
さて、出雲大社は縁結びの神として有名。
若い女性がやたら多いのもそれが理由であろう。
私は彼女が欲しい旨を願った。
なお、それから2年以上たった現在、
一度たりともできる気配すらなかったので
神無月の定説以上に、縁結びの神という定説は
ガセであることが立証された。
サングラスの彼が非常に腹立たしい。
出雲市駅に戻り、松江方面へ。宍道湖(しんじこ)へ向かう。
宍道湖とは島根県東部にある湖である。
ここは有名な夕日の観賞スポットとして有名であり、
県外からも多くの観光客が訪れる。
そのスポットの最寄り駅、松江駅から1つ手前の乃木駅で下車。
1.5キロほど歩くと観賞スポットに到着した。
くもりで夕日がみえねえ!!!
周りも夕日が見れず残念がっているカップル多数。
出雲帰りに彼女と夕日を見に来たであろう、
サングラスのアイツ!!
ざまあみろ!!!!
俺と同じ日に来るのがいけねえんだ!!!!!!
ちなみに宍道湖の夕日が見られる確率の高さを公表する
松江宍道湖夕日情報というサイトがある。
https://www.kankou-matsue.jp/shinjiko_yuuhi/sisuu.html
参考にはなるかもしれないが結構アテにならないので
夕日を見たい方は注意されたし。
その後はバスに乗って松江駅へ向かった。
松江駅に到着。
出雲で食べ損ねた出雲そばを食べ
松江から米子で乗り継ぎ鳥取を目指す。
気動車のラッピングにコナンがあるのは
名探偵コナンの作者、青山剛昌氏の出身地が鳥取県北栄町であることから。
鳥取空港を鳥取砂丘コナン空港に改名するなど、
鳥取県は町おこしの一環として名探偵コナンを取り入れているそうだ。
3時間ほどかけ鳥取県鳥取市。
これもまた鳥取駅の1つ手前の湖山駅にて下車。
ただただ不気味な、この無人駅の近くのネットカフェに入り
この日の行動を終了した。
(後編に続く)