夏休み大遠征 第3章 ~北海道の闇~
8月31日21時前
小樽港に到着。歩いて市街地まで移動すること30分。
小樽はまだまだ見どころが多いが、今回は見送った。また、先に言っておくが札幌周辺の観光も全くしていない。今回はむしろ北海道の端を旅する。
というのは、北海道はまた来るだろうし、札幌周辺ならいくらでもチャンスはある。そして今回はとある武器がある。
みんな大好きフリーパス。7日間で26230円。
ちなみに九州のフリーパスは3日間で30860円。(誕生月なら20570円)
なぜ北海道はあんな広大な大地を7日間旅してもこの安さなのか。
というのは、九州はまず新幹線という大正義がある。そのため九州は値段設定が強気だ。
そしてもうひとつ。列車の発着数が圧倒的に違う。その理由は人口密度の違いがある。
九州の都市と北海道の都市を人口基準で混ぜてランキングをつくってみた。九州の都市の規模と比較し、北海道の都市の規模が推測しやすいと思う。
1.札幌 1,880
2.福岡 1,463
3.北九州 977
4.熊本 734
5.鹿児島 606
6.大分 474
7.長崎 443
8.宮崎 440
9.旭川 356
10.久留米 302
11.函館 288
12.佐世保 261
13.佐賀 238
14.釧路 190
15.苫小牧 174
16.都城 170
17.帯広 169
18.諫早 140
19.小樽 137
20.八代 132
(単位:千人)
圧倒的札幌1点集中。
そして北海道2位の旭川でも一気にがっくりと落ちる。
こんなんで九州みたいに列車バンバン(1時間に1本)走らせてたら採算が合わない。すでに採算合ってないんだけど。
広大な土地ながら列車の本数が少ないためこの切符が使いにくくなり、それが安い理由であるだろう。確かにこの発着数の制限には大変苦労した。(のちのちエピソードが出てくるかもしれない。)
なお、札幌での観光はしなかったが、宿泊拠点にはした。北海道はその土地の広さゆえ、特急でないと非常に厳しい(フリーパスを買った理由でもある)がその特急は、ほとんどすべて札幌発着である。
オホーツク 札幌~網走
スーパーおおぞら 札幌~釧路
北斗・スーパー北斗 札幌~函館
すずらん 札幌~室蘭
ということで小樽駅から札幌駅に移動し、駅前のネカフェで泊まった。
9月1日
ということでここからが本番である。まずは道東を侵略する。
小さい頃一番見た目が好きな車両だったと思う。かっこいい。
こいつらぴょこぴょこ動く。かわいい。
約4時間で釧路駅に到着。さらにキハ54系気動車「快速ノサップ」根室行きに乗り換える。
気動車で1両編成の快速なんてなかなかこっちじゃ見ないよね。
一応、福岡県内の快速・特急停車駅の鹿児島本線沿線の人でしたから初めて2両編成の快速・特急を見たときはなんやこれ思いましたね。それが九州内での出来事。
北海道の輸送密度の闇は深い。
扇風機には国鉄のマークが。古い車両である。
釧路ー根室間の列車はだいたい2~3時間に1本くらい。途中浜中駅では列車交換を行う。なお、浜中町はモンキー・パンチの出身地であり、釧路ー根室間の列車の一部はルパン三世のラッピングが施されている。
7時過ぎに札幌を出て、特に遅れもなく14時前に根室駅に到着。さらにバスに乗り換える。
こうして納沙布岬に到着した。
うーん重い。
いわゆる北方領土や南鳥島を除くと、日本の最東端はここである。
霧が濃かったのでほとんど先が見えない。
その北方領土返還を願うモニュメントをバックに、納沙布岬のポーズ。ひざ曲げすぎた。
ということで釧路に戻るその前に、絶対に立ち寄りたかったところは
日本最東端駅東根室。西大山に行けなかったので(南九州編参照)これで最初の端駅である。
さて、早めに寝床を考えよう。札幌まで戻ることも考えたが、時間のロスが大きすぎる。釧路にネカフェはない。安く泊まれるドミトリーも空いてなかった。
そう、釧路ははっきり言って何もないのである。
さっきの人口ランキングでは釧路は道内で4位の都市。
だから、インターンの時に北海道出身の子に釧路について聞いた。
田舎だよ、と答えられた。
行ってみると予想以上に田舎だった。
よっぽど後述の帯広のほうが栄えている印象を受けた。
なぜ、釧路に人が集まっているのだろうか。
これはあくまで私の一つの仮説ある。
今、日本で唯一炭鉱があるのはここ釧路だけである。
また、海に面しており、魚も多く取れる。
さらに、かつて釧路湿原を開拓していたことで伐採していたはずだ。
恵まれた北海道の大地特有の農産物もあっただろう。
これらの資源、石炭・水産物・木材・農産物を輸送したり、それらに依存した工業で都市発展してきた。
しかしエネルギー革命に伴い、また、釧路湿原の保護運動により大きな利益をもたらしていた資源生産が激減し、街は衰退したのではないだろうか。そして人口は工業団地の名残ではないだろうか。
なお、現在でも港は活発であり、それによって生活物資は十分供給されるため人口減少スピードは軽減され、とりあえず4位の座は守れてるのだろう。
とはいえこのような経緯だったため商業都市とは言えないので田舎という印象はどうしてもぬぐいきれない。
当然宿もない。
さあここでフリーきっぷの職権乱用である。職権?
帯広まで戻ればネカフェがある。これなら札幌まで戻らず、安く泊まれる。
ということで1時間かけて帯広まで戻った。
非電化路線に突然の高架駅。
とにかく腹が減っていたので南口からしばらく歩くも飲食店がまったく見つからず、飲食店は駅の北側だったという痛恨のミス。
釧路と違って、こちらは商業都市として発展してきたので釧路よりも人口少ないが、都会という印象を受ける。